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贈り物

親しい人への贈り物を選ぶのが楽しい季節、

のはずである。

しかし、今の私は、

なんだか、プレゼントを選ぶのが怖い。

去年の、家人の還暦のお祝いには、

『コンバット』のDVDを贈った。

暮れの休み、彼は、毎日、

『コンバット』を観ながら

焼酎を飲み、

いつの間にか、テレビの前で寝てしまう、

という日々が続いていた。

そして、離脱症状と転倒をきっかけにした入院騒動。

その後、『コンバット』は箱に入ったままである。

今年の三月、とりあえず、家人は定年退職。

その記念に、とショルダーバッグを贈った。

仕事に行くのに使っていたショルダーバッグは

実際に持っていくモノを考えると半端に大きく、

かといって、

仕事以外で使っているウエストポーチも

汗拭き用のハンドタオルを詰め込むから、

パンパン。

私なりに、あれこれ考えて

仕事にもちょっとしたお出かけにも使えるバッグを

選んだつもりだった。

しかし、家人の側からすると、

これは、まったく、私の趣味の押し付けに過ぎなかったようだ。

自分の望むものと全く違う、

といって、

結局、使わないと宣言された。

退院後、自然な会話ができず、

事前のリサーチが甘かったのは確かだから、

「自分の希望を全く斟酌していない。」

と言われればそれまでである。

しかし、私なりに、

家人の行動パタンや、普段の持ち物などを考えて

充分機能的、と思って選んだものを拒絶されたのは

心に鈍い痛みを覚えた。

それで、すっかり

プレゼントを選ぶのに臆病になってしまっている。

本人ではないのに、

本人の希望をあれこれ憶測して

喜んでもらおう、なんてことが

恐ろしく大変なことに思える。

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コメント

せっかく選んだプレゼントでしたのに残念でしたね。
自分の好みをはっきり言えないくせに、プレゼントに文句をつけるのは、アル依や屈折した人(自分の気持ちに蓋をしている人)に定番なような気がするのですが。。
なんでもいい。という割りには後から文句を言うので、うちではそんなスウィートなプレゼントのやりとりはとっくに消滅しました。
よそのご夫婦ってどうなっているんでしょうね?もっとオープンに一緒に買いに行ったりしてるのかな?

投稿: romiri | 2009年12月22日 (火) 12時47分

romiriさん 実は、このバッグには後日談めいたものがあるんです。家人は無碍に「いらん」といったのを少し反省したのか、とりあえず一回は使ってみて、仏頂面で「気持ちだけありがたく受け取るが、やはり自分には合わない」と言ったのです。私はそれに冷静に対処すればよかったのかもしれないのですが、なんだか、つまらない、という気持ちを引きずっちゃったんですね。そこで「せっかく選んだのに・・」「私の選択は、(お酒でやられている)あなたの選択よりいい」と思ってしまう私も意固地なんでしょうかね。
それにしても、電車の中などで、率直に物を言いあっているご夫婦を見かけると、うらやましいです。

投稿: kurulimpa | 2009年12月22日 (火) 23時41分

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