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『恋に落ちて』

まじめに考えたら、困った話だ。

既婚者同士が恋に落ち、

まぁ、結局それぞれ結婚生活がご破算になって

最後は二人が結ばれる、

というわけだから。

でも、やっぱり、名優二人が出ているだけあって、

見ごたえはあった。

若い、とは言えない二人が、

思春期の若者のように

恋に落ちていく様子は

なんだか微笑ましくもある。

メリル・ストリープのモーリーは、

生まれた娘が

血管に問題があって生後五日で亡くなり、

その後、夫と

なんとなく心が通わない生活をしていて

いちおう、観ている側の同情を引く設定になっているし、

最後にデ・ニーロのフランクが

モーリーを追いかけることで

運命を引き寄せるわけで

微妙に白馬の王子が救いに来てくれる感じになっている。

また、「電車」が舞台、

というのも面白い点かもしれない。

「電車」で、再会し逢瀬を重ね、

車窓から相手の家庭を垣間見る。

また、フランクが、苦しい思いで

モーリーの家を車で見に行く時に

踏切で電車が通過するのを待つのだが、

これが後のシーンの伏線になっている。

つまり、遠くに引っ越す前に一目会いたい、

とフランクから電話をもらったモーリーが、

夫の制止を無視して

雨の中、彼の家へ向かう場面。

モーリーがアクセルを踏み込む。

遮断機が下り始める踏切。

「だめだよ、モーリー!」

それほど、主人公に感情移入していなくても、

さすがにこの場面ではドキドキしてしまった。

踏切を通過する電車、

アクセルをさらに踏み込み、

次の瞬間ブレーキを踏むモーリー。

車は、踏切の手前でスリップしながらも

かろうじて止まる。

通過していく電車。

成就しない恋を象徴する場面。

それにしても、

車が止まった直後のメリル・ストリープがすごい。

ハンドルに覆いかぶさった状態から体を起こしてから、

一瞬、体が震えるのだ。

恋心に駆られて冷静さを失っている中でも

死に直面した恐怖が現れる。

実は、ややスピード狂の私、

一度急ブレーキをかけて

信号手前でスリップして

横向きに止まったことがある。

幸い、車の通行量がなく、

お巡りさんもいなかったので、

事なきを得たのだが、

あれは相当怖かった。(もうしません)

なので、あの、ブルっという感じ、

すごくよくわかる。

で、メリル・ストリープだけれど、

そのブルっと震えた後で、

もはやフランクに会うことはかなわないことを

理解していてく表情になる。

しょせん映画の中のこと、と思いつつも、

実際の人生を感じさせる。

それにしても、昔のメリル・ストリープって

ちょっと病んだ感じの女の人がぴったり。

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