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寝言

先日の家人の精神科診察日。

医者に

「飲酒しているのは、前頭葉の状態によくないのですよね。」

と聞いてみる。

医者は、「そりゃぁ、よくないです。」と言う。

私が、「足取りがおぼつかないことがあるのは、

脳が悪い状態だからか?」と聞くと、

「飲んでしまっていたら、どちらかわかりませんね。」

と、ごもっともな返答。

「だめになってものは、もう元には戻りませんから。」

と、さらにごもっともなことをのたまう。

なんとなく、家人の背中が凍りついた、

気がする。

医者は、一息置いて

「だから、減らしましょう。」と言う。

え?やめましょう、ではないんですか?

と言いたかったが、

家人のフリーズが気になって、

言葉を飲み込んでしまった。

さて、その翌日。

家人の直接の恩師ではないが、

大学の先生にお祝い事があり、

家人は出席。

それほどではないが、

やはり飲んできたようである。

大学時代のことを思い出したり、

いろいろ刺激も強かったのだろう。

私が寝ようとしているときに、

久しぶりに何やら寝言を言っていた。

寝言を言っている人に話しかけるのはいけない、

というけれど、

ふっと、質問をしたくなった。

「ねぇ、バカになるってわかりながら、

バカになって行くのって、

どんな気持ち?」

「う~ん?」寝ぼけた家人が聞き返す。

「バカになるのが分かっていて

バカになっていくのって、どんな気持ち?」

「すごぉく、いやな気持」

と、寝ている家人が絞り出すような声で答える。

これは、本音か?

そこで、もう一言。

「じゃぁ、お酒飲むの、止めればいいじゃない。」

再び、絞り出すような声で家人が答える。

「止めたくても、止められないんだ。」

やはり、本音なのか?

「それって、やっぱり、

悪魔につかまっちゃってるからなの?」

と尋ねると、

「悪魔が来りて笛を吹く」

と、話を本筋から外された。

家人の顔を見ると、

酒が悪さをしていると感じさせる

口を開けて、呆けた顔をして寝ている。

これじゃ、のどが渇くだろう、

と思って、

また、私の中の意地悪心が動き出す。

自分が導眠剤を飲むために持ってきた水に

ティッシュの端を浸して、

家人の口元に水を垂らしてみた。

一発で起きた。

何をするんだとすごまれた。

「やぁ、怒ったね。」

と、私は内心、なんだか安心。

そのくらいの防衛本能は

残っているらしい。

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